不妊専門鍼灸院 銀のすずは
自然妊娠から体外受精までの方を専門でサポートしています。

着床するには窓が開いている必要があるという!!!


ERA検査(Endometrial Receptivity Array)

最近聞くことの増えたERA検査というものをご存知でしょうか。

ERA検査とは?
女性一人ひとり、最適な着床の時期が違うといわれています。
2013年にスペインのグループに子宮内膜受容能力検査についての論文が発表され、子宮内膜組織の遺伝子検査により、個々の症例の「着床のウインドウ」がいつなのかを個別に確認することが可能になりつつあることが示されました。

いわゆる、子宮内膜受容能検査(ERA)は、子宮内膜組織の遺伝子レベルで調べ、着床のタイミングが合っているかどうかをチェックする検査です。
それにより自分の着床ウインドウを知ることかできるようです。

また、反復着床不成功例に対して行う検査です。
体外受精の治療で良好胚を移植してもなかなか着床しない場合があります。
凍結融解胚盤胞を複数回移植しても着床に至らないことを「反復着床障害」と言いますが、多くは胚の染色体異常が原因ではと考えられてきました。
子宮内膜を着床可能な状態にしているつもりでも、遺伝子レベルでは準備が整っていない場合があるというのです。
そこで、融解胚盤胞を移植する場合、移植する日の子宮内膜が着床可能状態にあるかどうかを検査します。

検査周期では移植は行いません。検査だけを行います。
以前は検査を2回行うこともありましたが、再検査などがない場合、今は1度の検査で子宮内膜の状態が分かるようになりました。

着床障害の女性側の原因として、子宮内膜増殖症、子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内癒着といった子宮因子や卵管水腫などの卵管因子、血栓傾向などの問題があげられていましたが、それらを除外できた場合でも胚と子宮内膜の「着床のウインドウ」のズレが示唆されるようになってきたのです。

着床ウインドウ(WOI)とは?
胚が着床できる子宮内膜の受容可能期間のことを指し、通常は月経が始まってから19日目から21日目といわれています。
この時期のことを「着床ウインドウ」と呼んでいます。

着床ウインドウ(WOI)のずれとは?
子宮内膜にP4(黄体ホルモン)投与を開始してから120時間後にWOIが存在する方が多い中、P4投与を開始してから96時間後もしくは144時間後にWOIが存在する方がおられます。
こういった方を「WOIがずれている」と言います。
ERA検査を受けられた患者様の30%近くが、着床ウィンドウの時期がずれていたという結果が分かってきております。

Era、着床の窓、着床障害

では、どのような検査をするのか?
細いカニューレ(管)にて子宮内膜を採取しますので、痛みはほとんどありませんが、採取が困難な方の場合などは必要に応じて前処置や静脈麻酔下(鎮痛、鎮静)での処置となる場合があります。
融解胚盤胞移植実施の周期に使用するホルモン剤を用いて、移植をする周期と同じような方法でで、着床しやすくするために子宮内膜を厚くしていきます。
ホルモン剤を投与してから、5日目に、子宮内膜の組織を採取して、検査を実施します。

融解胚移植の場合
エストロゲン製剤(卵胞ホルモン製剤)を月経2日目から服用開始。
月経12日目ごろに内膜の厚さを確認。
プロゲステロン製剤(黄体ホルモン製剤)を開始して、5日目に子宮内膜組織を採取し、検査に提出。

自然周期の場合
排卵を確認してから5日目に子宮内膜組織を採取し、検査に提出。

※検査結果が出るまでには2~3週間かかります。
当日はシャワーのみ可(入浴不可)、性交渉も不可だそうです。

子宮内膜を採取した時期の結果が受容性のある場合、【着床ウィンドウ】には問題がなく良質な受精卵をこの時期に同じ条件にて移植していくことにより妊娠が期待できます。
非受容期との結果が出た場合は、再検査が必要となります。
この場合、検査結果には次回検査時の子宮内膜採取のタイミングの指示が記載されています。
再検査の場合、移植も延期となります。
しかし、ただ先送りになるわけではなく、再検査によって最適な移植時期を特定したことにより、妊娠率が24%向上するというデータが得られています。

妊娠に至らない原因がホルモン、卵管、子宮内膜の厚さ、卵子の老化、精子の異常、血液凝固異常、免疫異常、染色体異常などから新たな原因が見出されました!!!

さすが科学というところでしょうか?
細分化が進み、卵子や精子という種の遺伝子レベルでの異常、子宮という大地の遺伝子レベルでの異常を見つけたということですね。

精子や卵子に関しては着床前診断で、子宮に関してはERA検査でチェックすれば、妊娠率のアップは確実なのでしょうか???

事はそう簡単なことではありません。
実は、最近の研究ではあまりERA検査は意味がないという話も出てきています。
まあ、着床の窓が分かれば分かったで良いかと思いますが、それに問題ないからといって妊娠できるとは限りません。